忍者?以前、私は外来のみの某開業医院にて働いていた。その頃の話。 中学生の男子の患者。。。仮の名前を「忍者」とする。。。が、私達職員一同の注目の的になっていた。 みんな、彼が来院すると大はしゃぎ。 何故かというと、彼は必ず語尾に「ござる」を付けるからだった。 「どうされましたか?」 「診察をしたいでござる!」 「お大事に~!」 「ありがとうでござる!」 こんな感じで。見た目はごくごく普通の男の子。彼の言葉を聞くのを、みんなは楽しみにしていた。 別に、馬鹿にしていたわけではありません。決して。えぇ当然です。 なんと言っても患者さんは神様ですから。忍者なんかじゃありません。 彼が来院する日の病院内はいつも明るい笑い声が響いていた。 素晴らしい患者さんです。人の心を明るく出来るなんて大したもんです。 とある雨の日・・・ みんなで外を眺めながら、「かなり降ってるね」などとしゃべっていた。 その内、雷までも鳴り始めた。。。そう、こんな悪天候の日は暇でした。 すると、外を眺めている私達の前を自転車に乗った男の子が颯爽と走り抜けていった! 「あっ!」 それは、まぎれもなく例の患者さんだった。 ざぁざぁ降りの雨の中を自転車で。 それもかなりのスピードで。 傘もささずに。 しかし、私達は見逃さなかった! 彼の左手にしっかりと握られていたある物を。 それは、綺麗に閉じられた【折りたたみ傘】だった。 やはり、彼は「忍者」なのか??修行でも積んでいるのか?? 何なんだよぉ~~~!!!!! その日も病院内には明るい笑い声が響いていた。。。 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|